クランク! Clank! Renegade
「あと1ターンでゲームオーバー」
デッキ構築ゲームというと、たくさんある中からいくつかのカードしか登場しない「ドミニオン」のタイプと、全てのカードが山札として作られる「アセンション」のタイプがあるが、このゲームは後者の全てのカードが登場する。
そのため、自分手番でこのカードが出たという楽しさと、欲しいカードが自分の手番に出ないことの悔しさが出てくる。
ゲームとしては、ドラゴンの眠るダンジョンの深部から、アーティファクトを回収し、ダンジョンからの脱出を目指すため、ダンジョン内の移動に有利なカード、ダンジョンの道中や出てきたモンスターを倒すためのカード、デッキを強化する仲間カードを集め、デッキを構築していくゲームだ。
他プレイヤーと同じカードが手に入り、同じ方向性で進むということは少なく、
- 他プレイヤーがダンジョンのどこを目指しているのか
- 脱出までどれくらい時間がかかりそうか
- 他プレイヤーを脱出させないためにクランク!を起こしてキューブを増やしゲームからの離脱させるのはどうか
ということを考えるため、異なる動きとなりやすい。
このため、定石となる戦い方が目立つような仕組みとはなっていないため、経験者が必ず勝つとはなりにくいのだ。
そして、誰かが脱出の条件となるアーティファクトを獲得した瞬間、自分も脱出に向けて動かなければという緊張感が生まれる。
更に深部まで進んで良いのか、程々の得点のアーティファクトを獲得して脱出を目指すのかが悩ましく、手番での悩ましさ、手番が回ってくるまでの緊張や不安が徐々に増えていく。
少しずつ強くなっていくドラゴンの攻撃と、プレイヤーのキューブの割合が高くなっていく袋の中も、緊張感を増す仕組みとなっているのがとても面白い。
最初に離脱したプレイヤーに手番が回ってくる度にゲーム終了に近づいていき、あと1ターンでゲームオーバーというタイミングでギリギリ脱出できるかということもよくある。
その様な中で、取りたいアーティファクトやアイテムを獲得し、無事脱出できた時の達成感はかなりのものだ。
最後の得点計算まで勝敗がわからない展開も多く、得点計算で今回自分はどの様にカードや点数を獲得したかを振り返るのもまた面白いところである。
ルール説明を入れて60分級ゲーム。
非公開の情報が少なく、獲得するカードや手札については全プレイヤーで確認しながらプレイできるため、各プレイヤーのルール把握の負担が少ないので、遊びやすい。
ファンタジーの世界観で、親子でも遊べる機会は多いだろう。