ブラッドレイジ Blood rage CMON
「勝つために戦うのか、それとも…」
■あれもやりたいが、これもやりたい。
まずこのゲームで目が引かれるところはコンポーネントとして多くのミニチュアが入っていることである。
そしてこのミニチュアを自分のものとして盤面に登場させることができるのだ。
ゲームは、北欧神話をテーマにしており、カードドラフトと、エリアマジョリティのゲームとなっている。
3つの時代に分かれており、時代が進む毎にラグナロクにより、侵入可能なエリアが減っていくため、最初は広かった盤面も徐々に狭くなり、エリア毎の略奪が厳しさを増していく。
時代(ラウンド)の始めに、その時代で自分の手札とするカードをドラフトするのだが、戦闘に重きを置くか、クエストに重きを置くか、自分の氏族の強化に重きを置くかで悩むこととなる。
あれもやりたいが、これもやりたい。
これは渡したくない。
カードのコンボを考えると、これを取るしかないが、こちらも欲しい。
というドラフトが各時代の始めにあり、悩ましくもその後のアクションをどう進めるかでわくわくする。
そしてドラフトが終わると、メインと言っても過言ではない、アクションフェイズが始まる。
ここで先程ドラフトしたカードで氏族を強化したり、怪物を召喚したり、この時代で達成を目指すクエストカードを伏せることができる。
そして、盤面に配置した自分のミニチュアで各エリアの報酬を獲得するために略奪を行う。
この略奪こそ、各プレイヤーの思惑が入り乱れるのだ。
あるプレイヤーは戦闘に勝ち報酬を得るため、あるプレイヤーは報酬を与えないため、そしてあるプレイヤーは略奪に参加することにより戦闘に参加し、わざと敗北しようとすることもある。
このゲームの特徴として、戦闘で負けたプレイヤーの駒はヴァルハラに送られ、後に勝利点となることがある他、ヴァルハラに送った駒の数によりクエストの達成に繋がることがあるのだ。
そう、勝てば良いのではなく、負けることによるメリットもあるため、それぞれのプレイヤーの思惑が入り乱れるのである。
ここが何とも面白く、お互いに負けにいくための戦いが起きることもあるのだ。
そして、段々時代が進むことにより得点の入り方やカード効果が派手になってくるのもこのゲームの面白いところ。
しかし、後半だけ頑張れば良いのかというとそうでもない。
時代があまり進んでいない段階で、氏族のパラメータや強化をしておかなければ、後半にうまく勝負することが難しいのである。
前半はユーロゲームのようなプレイ感から、後半のアメリカンゲームに移るのもこのゲームの面白さの1つなのだ。
カード効果の把握が慣れるまで時間を要するが、ラウンドの流れやアクションについてはシンプルであり、慣れると60分程で終わる。
ミニチュアを使ったエリアマジョリティで盤面が派手になり、北欧神話やファンタジー要素が好きなプレイヤーにオススメのゲームだ。