ブラス:バーミンガム Brass:Birmingham Roxley
「マーティン・ワレスの傑作ゲームが更に面白くなり登場」
■時には大胆に借金することにより、強力な手を打ち、後に大きなリターンが生まれる可能性がある
このゲームのデザイナーは、マーティン・ワレス。
マーティン・ワレスといえば、経済ゲームや借金が頭に浮かぶゲーマーも多いだろう。
このブラスも借金のシステムが採用されている。
ゲームの初期資金があり、建物や鉄道の建設ができるが、ゲーム開始時は収入がない。
そこでどう資金繰りをするかというと、収入が入り始めるまで借金をする必要があるのだ。
借金なんてしたくない。
初プレイではそう思うこともあるかもしれないが、時には大胆に借金することにより、強力な手を打ち、後に大きなリターンが生まれる可能性があるのだ。
ゲームの手順としては、前半と後半に分かれているが、やれることに大きな違いはない。
ただ、前半と後半により盤面や建設時でのルールや、アクションによるコストの違いなどがあり、後半に繋げるための土台を作る前半、ゲーム終了時の盤面や自分の着地点を意識した後半と大きく分かれており、どちらも気が抜けない。
手番では基本的に手札のカードを使用し、建設等アクションを行う。
手札により、自分が介入できる都市やできるアクションが決まってくる部分もあるため、多少カードの引き運があるが、その引き運をカバーするためのアクションも用意されており戦略的だ。
建設は自分の利益だけでなく、いかに自分が生んだ資源を他プレイヤーに使ってもらうかという視点も必要となる。
それが時には自分で使いたかったものが使えなくなり、どうやりくりするかに頭を悩ますこともある。
このブラス:バーミンガムで追加されたビールがまさにそれである。
協力なアクションや出荷に必要とされることが多いビール。
ゲームに登場する石炭と鉄については外部都市から購入することができるが、ビールはプレイヤーが建設しなければ登場する場面は非常に少ない。
このビールに対する駆け引きがとても悩ましく、ゲームの明暗を分けることもある。
元のブラス(ブラス:ランカシャー)では存在しなかったこのルールがブラス:バーミンガムの魅力と言っても過言ではない。
ゲームとしてはルールの難易度が高い本作。
初プレイでは、2時間から3時間くらいかかることもあるだろう。
しかし、プレイをしての満足度は非常に高い。
難易度の高い長時間ゲームに慣れてきたプレイヤーにオススメのタイトルである。