ブラックアウト香港 BLACKOUT:Hong Kong Eggert Spiele
「予想外に軽いプレイ感」
■自分が何をやりたいか、何を目指しているかにより、自分の方向性に合った手札を構築する楽しさが生まれる
黒をベースとした大箱、プレイ時間75〜150分の表記、メインボードと各プレイヤー用の個人ボード、大量のカードと、いかにも複雑で重そうなプレイ感を感じるゲーム。
しかし、個人ボードに各フェイズの処理や、メインボードに得点計算方法が書かれており、親切なデザインになっている。
また、1ラウンド8つのフェイズがあるが、全プレイヤー同時処理で進行するフェイズも多く、ダウンタイムが少ない作りとなっている。
またルール説明から受ける印象よりもプレイ感が軽く、2時間級のゲームであるが、まだまだ遊べるのにもう終わりなのかという所で最終ラウンドを迎える。
そして終わった後にリプレイを希望するプレイヤーが出るくらいの疲労感で終わるのだ。
ゲームの内容としては、手札構築、リソースマネジメント、エリアコントロールがメインとなる。
始めは全プレイヤー共通の手札であるが、場から目的カードを購入し、その目的を達成すると手札にカードが入り、より強力なアクションを行えるようになる。
そのため、少しずつ獲得できるリソースが増えたり、多くの香港ドルが手に入るようになったりし、更に高度な目的を達成できるようになってるくるのだ。
このため、自分が何をやりたいか、何を目指しているかにより、自分の方向性に合った手札を構築する楽しさが生まれる。
しかし、使いたいカードを目的カードとして購入するということだけでなく、得点源となる区域の復旧のために、目的達成のコストやカードの色を考えて購入する必要があるため、長期的に見て、どのカードを購入するべきかが悩ましいのだ。
そして、ゲームで勝利するためには、いかに他プレイヤーの得点時に自分にも利益があるようにするため、区域の復旧での相乗りについても注目する必要がある。
そのため、自分の手札を強くするため、自身で区域を復旧させるため、他プレイヤーの区域の復旧に相乗りするため、この3点を意識して目的カードの購入を考えることが重要となるのだ。
長期的な計画が求められるゲームではあるが、他プレイヤーから邪魔されるということはなく、攻撃的なアクションや強いインタラクションがないため、自分のやりたいことがやりやすい。ここに遊びやすさがある。
始めにも書いたが、プレイ感は軽く、1ラウンド終わると1ラウンドの流れがすんなり理解ができる。
2時間級ゲームを少しやり始めて、適度な他プレイヤーとの駆け引きを楽しみたいというプレイヤーにオススメだ。